2019/06/09
元はゲーミング用途の製品なのに、光デジタル入力が出来たり
macOSのOBSでループバックが使えたりするヤバいやつのお話です。
wararyoです。
ここ数か月ほど作曲配信を行っていたのですが、
どうしても音周りが思い通りにならず、こちらを購入しました。
Sound Blaster G3
こちらの製品、本来は
ゲームをしながらボイスチャットをするために使うのが主な用途なのですが、
予想以上の能力を秘めており、
むしろ配信に最適なデバイスだと考えるに至りました。
今回はその理由を3つほど述べていきます。
目次
以下、Sound Blaster G3 のことを G3 と省略します。
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こんな人にオススメ
- ゲーム用PCと配信用PCを分けたい
- 安いHDMIキャプチャを買ったからHDMIから音が取れない
- macOSで配信したいけど、SoundFlower, LadioCast, BlackHoleは入れたくない
- ゲームの音とボイスチャットの音を同時に聴きたい(本来の用途)
3つの音を好みの音量でミックスできる
Sound Blaster G3には以下の3つの音を入力することが出来ます。
- USBをつないだデバイスからの音(PCやゲーム機に繋いだ時)
- マイク
- ライン入力
これらの音はすべてミックスされ、
ヘッドホンおよび後述する”What U Hear”に流れます。
また無料で入手できるソフトウェア”Sound Blaster Command“により、
それぞれの音量バランスを調節することが可能です。
光デジタル入力がある
先ほど「ライン入力から音を入れることが出来る」と言いましたが、
実はライン入力の代わりに光デジタル信号を入力することも可能です。
(S/PDIFと呼ばれるやつです)
実は私は光デジタル入力を目的に購入したのですが、
10000円以下で光デジタル入力を搭載しているUSB機器は探す限りコレだけでした。
macOSでもループバックができる
ループバックとは、出力をそのまま入力に回すことです。
例えばPCでゲームをしているとして、
そのゲームの音を配信に乗せるためにはループバックが必要になります。
WindowsではOBSがその役割を担ってくれるのですが、
macOSでループバックを行うためには別途ソフトウェアが必要になります。
もちろんそれを入れてもいいのですが、
信号の流れが複雑になるという理由で好まない人も多いです(私もそうです)
G3をMacに繋ぐと、以下の4つのデバイスが見えるようになります。
これらのうち
“What U Hear”にはヘッドホンから聴こえる音と全く同じ音が入ってきます。
つまり、ループバックが行われています。
macOSの多くのソフトウェアは最初の2チャンネルしか入力を受け付けてくれず、
「ループバック対応」と書いてあるオーディオIFでも使えない場合があります。
G3は2チャンネルのデバイスが複数ある構造のため、
macOSの多くのソフトウェアでループバックが使えます。
G3を使うと、macOSでも
追加のソフトウェアなしにOBSでループバックができます。
こんなことが出来ます
今までの内容を総合すると、例えばこのようにゲーム実況ができます。
G3に、ゲーム機からの音とマイクからの声とPCからの音を全て入力します。
全てがミックスされた音がG3からPCに返ってくるので、それをそのまま配信に乗せます。
実際にセッティングしてみるとこうです。
なお、Nintendo Switchのイヤホン端子から出る音はノイズが乗っているので、
可能なら光デジタルで入れてあげた方が音はいいです。
このセッティングで実際に使えることも確認しました。
PCでBGMを流しています。
(声の音質が悪いのはマイクが安物だからだと思われます。)
なお、OBSから同時に使用できるG3の入力は一つなので、
この状態からマイクの声にだけエフェクトを掛ける、といった使い方はできません。
(おまけ)スマートフォンから操作できる
“Sound Blaster Comand”を使ってSound Blaster G3を操作できると言いましたが、
Sound Blaster CommandにはiOS, Androidアプリもあります。
これを使うと、PCやゲーム機に接続したG3をスマートフォンから操作できます。
なぜ操作できるかと言うと、G3本体にBluetoothを内蔵しているんですね。ヤバすぎる。
私はこう使います
ニーズは無いと思いますが、万が一作曲配信をしたいという方が見た時のために私の環境も書いておきます。
2台のPCがあり、片方ではDAW、もう片方ではOBSが立ち上がっています。
DAWで出た音は、オーディオIFの光デジタル出力からG3の光デジタル入力を通ってOBSに入ります。
DAWとOBSを同じPCで立ち上げればこのようなことはしなくていいのですが、
OBSの負荷でDAWの動作が重くなる現象が頻繁に起こったため、PCを分けました。
また2台に分ける場合でもHDMIに音を乗せれば光デジタルで伝える必要はないのですが、
オーディオIFに出力した音をHDMIに乗せるためには余計なループバックが必要になるため、この方法は採用しませんでした。
なお、G3にはASIOドライバーがないため、G3をDTMに使うのはオススメしません。