2019/06/09
アナログシミュ系コンプの良さってこういうことか…になりました。
wararyoです。
Pulsar社の “Mu” というコンプレッサーを買いました。
MANLEY Stereo Variable Mu というアナログコンプレッサーをシミュレートしたプラグインです。
とある作曲家の方がYouTube動画で試聴動画を上げていたのを聴いて「良い音だな…」と思ったのが購入したきっかけです。
実際に使ってみた結果、やっぱり良いコンプだったので紹介します。
ドラムトラックのバスコンプにしてもいいし、マスターに挿しても気持ちいいです。
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目次
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試聴
何がともあれ音を聞いてください。
アタック・リリース・GRを可能な範囲で揃えた後、ラウドネスを見ながら音量を調節しました。
コンプの効き目がわかるよう、少しキツめにかけています。
マスタリングに用いる例
あえてのFuture Bassです。
コンプなし
iZotope Ozone 9 Vintage Compressor
Pulsar Mu
Muを通すと自然に音が均されているのが分かるかと思います。
ドラムのバスコンプとして用いる例
アコースティックなドラムで試してみます。
コンプなし
iZotope Neutron 3 Compressor
Pulsar Mu
キツめにかけたのでMuではスネアの頭が潰れていますが、サスティンはかなり自然に持ち上がっている印象です。
Neutron3ではキックにやたらと反応してしまっていますね。バンドを分けたりと試行錯誤してみましたが、プラグイン単体でこれを解消することはできませんでした。
個人的には、キックだけバスコンプを通らないように別で出して、キック以外に対して浅いバスコンプを掛けるのが好みではあります。
「コンプ感」が少ないのに、ちゃんと音が前に出る
あくまで個人の感想ですが、GRが頻繁に-3dbや-6dbを行き来するような状況でも、いわゆる「コンプ感」をあまり感じないです。
悪い意味での「コンプ感」は急激な音量変化でトランジェントが崩れることにより起こるのですが、そういった事態が起こりにくい構造なのだろうとは思います。
にしてもあまりに自然。
それなのに、コンプを刺すことによるメリットは享受できます。
つまり、音量はちゃんと均一になっていて、聴きやすい音にしてくれています。
ある意味で「プロっぽい」音になると感じることでしょう。
低音に特徴アリ
Pulsar Muを通した音は高音より低音に特徴が出るように感じています。
通す前と比べると低音が少し持ち上がっているように感じるのですが、EQで低音を出しただけの音とは違い、丸みを帯びて強調されているように聴こえます。
私がPulsar Muを好んで使う一番の理由です。
逆に言うと、低音が持ち上げられると困るような音楽では、意図しない低音になっていないか一応確認した方が良さそうです。
マスターに刺すときはGlue [-4db]を基に調整
ツマミが多くて何からいじれば良いのか分からない…という方は、
とりあえずプリセットの Master > Glue [-4db] を適用してみるだけでも良いかと思います。
ただし、そのままだとプラグインを通す前後で音量が変わってしまうので、
Bypassのオン/オフを切り替えながら中央のDUAL INPUTを調節して、プラグインを通しても音量感が変わらないようにします。
その後、中央のDUAL INPUTを、今度はSHIFTキーを押しながら調節し、GR量を調節します。
VUメーターで-3db付近を推移する、たまに-4dbに行くかな〜?くらいの感じが個人的にちょうどいいです。
自然に迫力が出るため、盛りすぎ注意
前述の通り、GR量をガチガチに盛っても、あまり聞き苦しい音にはなりません。
そしてコンプをかければかけるほど、同じラウドネスでもより音が詰まっているように聴かせることができます。
ただし欲を出してコンプをかけすぎると、ヘッドホンで聴いたときに窮屈で耳が疲れやすい音になるため注意が必要です。
程よく空白を残す勇気を持った方が良いのだと思います。
落ちることがあるかも?
私の環境ではミックスダウン時に落ちることがありました。
アップデートで改善されたのか最近は遭遇していませんが、念のため記しておきます。
他のアナログ系コンプにはない持ち味を持ったコンプレッサーです。
当分は主にマスタリングのお供として愛用していくことでしょう。