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ゲームのループ音楽を作るときに注意したいこと、そして邪道な解決策

time 2017/05/27

ゲームのループ音楽を作るときに注意したいこと、そして邪道な解決策

残響までループさせないとつなぎが不自然になるという話です。wararyoです。

主にゲームBGMを作成するなどで、ループすることを前提とした曲を作って書き出すことがあるかと思います。

しかしそこに、ある落とし穴があります。
当たり前すぎてあまり言及されないんでしょうけど、初めてループ音楽を作る人ならはまってしまうかもしれないので、書いておきます。

それは、残響まできちんとループさせるということです。

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どういうこと?

DAWで書き出した後の波形の話をします。

音にリバーブやディレイなどを設定している場合、当たり前ですが最後の音を鳴らし終わった後もしばらく音が残っています。

実際の波形

そして、音楽が始まった直後から最初の音が鳴るまでは残響はありません。
では、曲の最後の音が鳴り終わってからすぐに曲の最初に戻るとどうなるでしょうか。

そうです。最後の音の残響は無くなってしまうんです。
最後の音だけだったらまだいいんですが、同様の理屈で最後らへんの音の残響は全部途切れてしまうのは分かりますね。

とりあえず聴いてみよう

言葉で説明するより聴いてもらった方が早いです。残響が途切れたループ音楽の例を用意したので聴いてみましょう。

2回ループしてるんですが、どこでループしたかがはっきりわかってしまいますね。

2つの解決策

ではこの問題を解決する方法は何なんでしょうか?
僕からは正攻法と邪道な方法の2種類提案したいと思います。

正攻法—イントロ部分とループ部分を用意する

2回目のループの最初の方もDAWで書き出して、最後まで再生し終わったら1回目のループの途中にもどして再生を続ける方法が一般的です。

実際にやっていきましょう。これが最初の状態です。

最初の状態

まずDAWで曲の最初4小節だか8小節をコピーして曲の終わりの後にペーストします。
この、曲の最初4小節だか8小節の範囲を「イントロ部分」、以降を「ループ部分」と呼ぶことにします。

全体を書き出します。お好みでマスタリングをします。

そして、再生を行うゲームエンジンなどで、曲を再生し終わったらイントロ部分の終わり、すなわちループ部分の最初から再び再生するように設定します。

場合によっては、イントロ部分とループ部分を別の音声ファイルに分けたりもします。

一応この方法を使ってループさせた音声を聴いてみましょう。

当たり前ですがフツーのループ音楽ですね。それでいいんです。
使用するゲームエンジンがUnityの場合は、イントロ付きループ音楽を再生する方法はいくつかあります。比較記事を書いているのでぜひどうぞ。

ガチ比較!Unityでイントロ付きループBGMを流す4つの方法

邪道な方法—最初に残響部分を入れる

正攻法を用いる場合、ゲームエンジンや再生環境によっては対応してなかったり、ひと手間必要だったりする場合があります。
なんでもいいのでとりあえず残響が途切れる現象をなくしたいということであれば、曲の頭に残響を入れてしまうという方法があります。

こちらも実際にやっていきましょう。最初の状態です。

最初の状態

まずDAWで「曲を丸ごとコピーして曲の最後にペーストする」か、「曲の最後4小節だか8小節をコピーして曲の最初に入れ込む」か、どちらかをやります。今回は前者をやってみます。

そして、全体を書き出します。
その後、残響がある方のループ部分だけを切り取ってもう一回書き出します。

あとは何も考えずフツーにループさせます。

この方法だと、1回目のループの最初にあるはずのない残響が入るというデメリットがありますが、意外と気になりません。
実際に聴いてみましょう。

正攻法との違いがわかるでしょうか。
(最初の残響は気にならない、と言いましたがこのサンプル音源はリバーブかなり深くしてるのでさすがに気になりますね笑)

残響の正しさを犠牲にしてお手軽にしたのがこちらの邪道な方法です。


いかがでしたか。

残響が途切れていることが聴き手にバレてしまったら、一気に興ざめるというものです。
ちゃんと対策して、よりよいユーザー体験を引き出しましょう!

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