2019/06/09
先日リリースされた、Native Instruments社の”Symphonic Series – Percussion”という音源を購入しました。
4製品あるSymphonic Seriesの中の一つです。
目次
だいたいこんな音源
- 天然のリバーブがかかってる
- 1つの音が4つの距離で録音してあって追い込んだ調整ができる
- 基本遠めの音だが調整すればポップスにも使えそう
- トレモロがめちゃめちゃ自然
- 弱めのシンバルの音にクセがある
- ウィンドチャイムは使えない
一曲作ってみました
とりあえずこの音源だけをつかってパーカッションアンサンブルを作ってみました。お聴きください。
前半は静かで後半から盛り上げてみました。
使用したプラグインはNeutron2, Vitamin, C1, Temper, AMBEO Orbit, H-Reverb, そしてOzone 8です。
特にVitaminが大活躍です。リバーブはかなり深めです。
使用した音色(おんしょく)は、ビブラフォン、マリンバ、シロフォン、シズルシンバル、(サスペンデッド)シンバル、レインスティック、バスドラム、ビブラスラップ、タム、ティンパニです。
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音
高校時代にパーカッションをやっててパーカスの音は比較的聴いてきているのですが、かなり満足いく音です。
全体的に落ち着いた音です。
無響室などではなくStudio 22というスタジオで録音されています。280㎡ある広いスタジオです。
よって天然のリバーブが入ります。
KONTAKT Factory Libraryのストリングスと木管楽器と合わせてオーケストラ編成でミュージカル曲を作ったのですが、かなり気持ちよくハマってくれました。
初期状態では天然のリバーブがかかった、遠めの音がなるのですが、
冒頭で述べたように、この音源、全ての音が、”Spot”, “Close”, “Mid”, “Far” の4つの距離から録音されており、
それらをあらかじめうまくミックスしてくれてる”Stereo”と合わせて合計5つの音を、音源内のミキサーからミックスすることができます。
逆に言うとポップスやエレクトロニカで使う場合は調整はほぼ必須ということでもあります。
Spotは近くから録ってるので残響が少ないんですが、打撃音などがキツくてSpot単独で使うのはどの楽器も厳しいです。
Closeになるとほんの少しだけ天然のリバーブが入るので、天然のリバーブからは逃れられないといえます。
このような音の特性から、この音源を買ったら他のパーカスの音色はいらない!ということはなく、
Kontakt Factory Libraryなどの既に持ってる音源をあえて使うことも時には必要になるでしょう。
シンバル
比較的重そうなシンバルの音です。ッパーン!と明るく鳴るPiatti(合わせシンバル)の音は期待しないほうがいいです。
明るさはなくても、上品な華やかさがあります。
冒頭で述べたように、中くらいのベロシティ時のシンバルの音が気になります。
低,中ベロシティ時のシンバルの音が弱々しいというかアタックが全然ないです。弱くてもアタックのしっかりした合わせシンバルってのは楽器としては可能なんですが。
あとベロシティレイヤーの境目が比較的はっきりわかります。
合わせではない(サスペンデッド)シンバルでは、トレモロでだんだん強くしていってもシンバル特有の高音が出ずに若干歯がゆい思いをします。
鍵盤楽器
丸い音です。Kontakt Factory Libraryのグロッケンは良くも悪くも耳が痛いのですが、コレのグロッケンはそんなことないです。
鍵盤楽器の音色(おんしょく)にはトレモロやトリルの奏法はありません。自然なトリルを表現するには自分でMIDI鍵盤を叩きまくってそれをMIDIとして記録するといいのではないでしょうか。
その他
チューブラーベルがとてもいい感じです。僕のチューブラーベル探しの旅はこの音源で終わりました。
ウィンドチャイムがクソです。鍵盤一つ一つがウィンドチャイムの管一つ一つに対応してる音源ないかなあ。(追記:ありました)
ティンパニはもうKontakt Factory Libraryのやつは使いたくなくなるくらいいいです。
レインスティックの奏法が意外と多くてホクホクって感じです。
スネアのリムショットがないので注意しましょう。
操作性
良いです。
基本的に、キースイッチで奏法を切り替えて、モジュレーションで強弱を入力します。モジュレーションを入力すると真ん中のノブが回ります。
キースイッチや非音程楽器のキーが全て白鍵に配置されてるのが地味に楽です。
C1 – B1がキースイッチ、C2以降が実際に音がなるキーという配置になるように統一されています。
悪いところとしては、GUIに楽器の写真などは一切表示されないため、気分が上がりません。
さらにそのせいで今開いてる音色を判別するのに少し時間がかかるので、楽器の写真は入れて欲しかった。
めちゃめちゃ自然なトレモロだが一工夫必要
トレモロがかなり自然です。打ち込みの限界を超えた自然さです。
ただし、急激なクレッシェンドなどには弱く、場合によっては単発音を組み合わせて調整する必要があるでしょう。
ティンパニなどはもはやトレモロを使わず自分で打ち込んだほうが自然になる場合もあります。
メモリをほどほどに使う
冒頭の曲のプロジェクトファイルをロードしたらメモリ使用量が4GBほど増えました。
まあ妥当だと思います。
サクッと使えるというよりは、追い込む音源
適当に使えるという点では、Kontakt Factory LibraryのパーカスやSoundiron Apocalypse Elementsのほうが良いです。
ただし、ミキサーや細かなMIDIの打ち込みをすることによって、かなりリッチな表現が可能な音源です。
パーカッションにちょっとこだわりたい方は手に入れてみてはいかがでしょうか。
ポップスで使ってみる機会があればまた追記します。
コメント
wararyoさんはじめまして、おもしろくてほぼ全記事読んでしまいました! また遊びに来ますね〜。
石山 2018-03-07 15:17
ありがとうございます!とても励みになります。
ぜひこれからも読んでいただけたら幸いです〜
wararyo 2018-03-07 18:13